コンサルティングの仕事術は一般のビジネスマンも活かせる | [書評]マッキンゼー式 世界最強の仕事術

マッキンゼー式 世界最強の仕事術
著者: イーサン・M・ラジエル
ISBN:4797337389 / 発売日:2006-09-22
出版社.: ソフトバンククリエイティブ

世界でも指折りのコンサルティング会社の仕事術に学ぶことの意義

マッキンゼー式と言うことで、この本は、米国のコンサルティング会社マッキンゼーアンドカンパニーで行われている仕事に対する思考やテクニックが書かれています。私が知っている世界のコンサルティング会社で有名どころというと、マッキンゼー、ボストン・コンサルティング、アクセンチュアぐらいです。

コンサルティング手法は、その会社によって独特なものがあるでしょう。私は、まずは、最も有名なマッキンゼーを学んでみたいと思ったわけです。コンサルティングは、クライアント企業の状況把握、課題抽出、解決方法の提案という流れであると認識していますが、これらはコンサルタントに限らず、営業さん、システムエンジニアさん、はたまた上司に新ビジネスを提案したい人たち皆さんが共通して関心を持つものではないでしょうか?

本書の概要

本書は、以下の五つのパートから構成されています。
・PART1 マッキンゼー式<ビジネス問題の考え方>
・PART2 マッキンゼー式<ビジネス問題の解決方法>
・PART3 マッキンゼー式<解決策の売り込み方>
・PART4 マッキンゼーで生き抜く方法
・PART5 マッキンゼーの伝統

それぞれ著者の経験や社員へのインタビューから得られた具体的な実例がちりばめられており、読み物としてもおもしろいものになっています。パートは五つですが、PART1から3までがコンサルティングのテクニック、PART4から5がマッキンゼーの会社そのものについてという感じです。

まず、PART1は、基本中の基本になるので必読です。個人的には、ここに記載されているMECE(ミーシー、お互い重ならず、すべてを網羅する)という考え方がまず重要でした。また、80対20の法則やエレベーター・テストなど、知っておいて損のない重要なビジネス法則が書かれています。

PART2では、「面接トラブル対処法」も書かれています。あるんですよね、社内ヒアリングを実施した時に非協力的な人がいて困るんですよね。そんな時のヒアリングテクニックの参考になります。

また、このようなアドバイスもあります。

だれかに面接してオフィスに戻ったら、礼状を書こう。それが礼儀であり、仕事の一部でもあり、さらに思いがけないかたちで報われることもある。

私も以前から、社内、社外の人に時間をとって打ち合わせさせてもらった時には、メールですけど、お礼を出すようにしていました。

PART3もキーとなるパートの一つです。プレゼンの成功のためのテクニックが書かれて言います。例えば、以下のようなものです。

優れたビジネス・プレゼンテーションには、聞き手が初めて耳にすることが含まれていてはいけない。

非公式に、クライアントに結果を打診しておき、プレゼンの場で驚かれないようにするそうです。同じようなことは、一般企業にも言えて、私の場合、会議資料は事前配布(つまり先に読んどいて。会議の場では説明しないよ)をよくやっていました。

PART4以降は、マッキンゼーに特化した記述が多いですが、採用プロセスの実態など、読んでいて面白いです。

最後に

コンサルティングではない方でも、読んでおいて損のない本です。さらにマッキンゼー式の問題解決を知りたい場合には、「マッキンゼー式 世界最強の問題解決テクニック」も参考になるでしょう。

マッキンゼー式 世界最強の仕事術
著者: イーサン・M・ラジエル
ISBN:4797337389 / 発売日:2006-09-22
出版社.: ソフトバンククリエイティブ

あわせて読みたい