職場の人間関係に悩んでいる人へ。4つの特性による分析とは? | [書評]ユダヤ人大富豪の教えIII ~人間関係を築く8つのレッスン


意外に知らない続編

本田健さんといえば『ユダヤ人大富豪の教え』で有名ですが、このシリーズに3冊目がある事をご存知でしょうか?私も『ユダヤ人大富豪の教え』は第1弾、第2弾と読んでいましたが、第3弾が出ている事は知りませんでした。

というのも、第1弾、第2弾が発売されたのは今から10年前の2006年で、第3弾はそれから7年の月日を経た2013年だからです。今回、第3弾が発売されている事を知り、読んでみました。

テーマは人間関係

第1弾、第2弾はお金やビジネスの話で、今回はガラッと変わって人間関係の話になります。サブタイトルにも『人間関係を築く8つのレッスン』というのがついており、いかに他者との人間関係を上手く築いていくのかにフォーカスした内容となっています。

本田健さんをモチーフにした主人公のケンがビジネスの視察のつもりで訪れたアメリカで、偶然の出会いがあり、翌日からの8日間のワークショップに参加することになりました。

このワークショップの中でケンやその他の参加者の持つ様々な人間関係の問題を解決していくというストーリーとなっています。そのため、誰が読んでも登場人物の誰かに共感出来るような文章構成になっているので、おそらくあなたも楽しみながら読み進めることが出来ると思います。

人を分類する4つの特性

講師のハリーが受講生達に色々な問いかけやワークをさせることで、話が進んでいくのですが、その中に一つ大きなテーマが設定されています。

それは、人の特性というのは、『ポジティブ・ネガティヴ』という軸と、『自立・依存』という軸で分類出来るというものです。この2つの組み合わせである、『ポジティブ自立』、『ネガティヴ自立』、『ポジティブ依存』、『ネガティヴ依存』の4つです。基本的にほとんどの人はこの4分類に分けられることができ、その性質を持って人との関係を築いていくことになります。

ここで面白いのは、1人の人はその4分類のうちの1つの性質しか持たないというわけではなく、どの性質も持っているということです。さらに、普段はこの4つのいずれかに属しているとしても、それ以上に強くその性質を持っている人との間においては、自分を他の分類にポジション付けようとする力が自然と働くということです。

つまり、普段はポジティブ自立の人であっても、自分よりも強烈なポジティブ自立の人と接すると、普段とは違うネガティヴ依存にポジション取りをするということです。それぞれの特性を持つ人が円滑に色々な人と人間関係を築くためには、何に気を付けて、どんな振る舞いをすれば良いのかが、この本で学べます。

職場での人間関係に悩んでいる方は、自分の特性と相手の特性を一度分析してみて、これまで自分が相手にどのような態度をとっていたかを振り返ってみた後に本書の処方箋を読んでみると、何を変えればよいかの気づきになります。


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