タリーズコーヒージャパンの創業者が送るメッセージ | [書評]すべては一杯のコーヒーから

すべては一杯のコーヒーから
著者: 松田 公太
ISBN:4101180318 / 発売日:2005-03-27
出版社.: 新潮社

日々「夢」に向かって前向きに生きていきたい。「情熱」を常に持って仕事をしたい。そんな熱い思いを抱えて生きている方々にお勧めしたいのが、今回紹介する「すべては一杯のコーヒーから」だ。

この本はタリーズコーヒージャパンを興し、日本有数のコーヒーチェーンに育て上げた経営者、松井公太氏の自伝だ。氏がどのように生まれ育ち、どうして経営者になろうと思ったのか。そしてどのようにしてタリーズコーヒージャパンを成長させたかが書かれている。しかし自伝と言っても決して事実だけを列挙したものでは無く、本のそこかしこに松井氏の考え方や熱いメッセージが散りばめられている。今回はそのいくつかを抜粋してみた。

「夢」と「目標」

「夢」と「目標」は全く別物だと私は考えている。目標とは、具体的な計画に基いて、自分の実生活の羅針盤として必要なもの。一方の夢とは、たとえ具現性が乏しいとしても、思い描くだけで心が満たされるものあと思う。

活力に溢れた人生を送るためには、人には「夢」と「目標」の両方が必要だ。

この本には何度も「夢」と「目標」という言葉が出てくる。そして松井氏は、自分のような経営者に限らず、全ての人にとって、大きな夢を思い描き、それをモチベーションにして日々目標達成のために努力する人生こそ素晴らしいものであると語る。

大切なのは金でも才能でもなく「情熱」

情熱は誰でも平等に持つことができる。その点が生まれ持っての資産や容姿、才能とは違う。

松井氏は大金を持って経営をスタートさせたわけでは無いし、突出した才能を持っていたわけでも無かった。最初はどこにでもいる普通のサラリーマンに過ぎなかった。しかし彼はその情熱でアメリカのタリーズコーヒー本社を説き伏せ、日本におけるタリーズの経営者となった。

誰しも何かをしたい、何かが欲しいと考えた時、お金や才能の壁にぶつかる事はある。しかしそこで諦めるのでは無く、情熱をもって取り組むことで必ず道は開けると松井氏は説く。

たゆまぬ努力と挑戦が未来を開く

人は成長するための努力を止めてはならない。成長するのを止めたとき、つまり現状に甘んじた瞬間から、衰退が始まってしまうからだ。

今でこそ成功者となっている松井氏も、初めから順風満帆だったわけでは勿論無い。資金繰り、同業他社との競合、仲間との不和等、様々な障害を乗り越えてきた。物事が思うように進まない時に重要なのは成長するための努力であると氏は言う。常に現状に満足せず、未来にくるであろう障害に備えて成長し続ける事で未来はより良いものになっていくし、どのような逆境が訪れても対処する事が出来るのだと。

すべては一杯のコーヒーから
著者: 松田 公太
ISBN:4101180318 / 発売日:2005-03-27
出版社.: 新潮社

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