「ロボット革命」を経済の成長戦略の軸に | [書評]ロボット革命 なぜグーグルとアマゾンが投資するのか


福島第一原発事故において、先ず投入されたのはアメリカ製のロボットでした。

日本にはソニーのアイボやホンダのアシモ等の、世界トップクラスのロボット技術があるにも関わらず、何故、今回の事故では役に立たなかったのか。

一方で、アメリカでは、グーグルが自動車の自動運転を実証段階に進めており、一般走行が行われています。アマゾンでは、ドローンを使った無人配達の実用化を目指しており、ロボット関連の技術に巨額な投資を行っています。

日本においても、政府は「ロボット革命」を経済の成長戦略の軸に位置付けており、世界的な競争力の強化に努めています。人間とロボットの関わりは、新たな段階に入っているとも言えるので、開発の流れとしても大きく変化している現実があります。

著者は、自らロボット開発に携わっており、ロボットが社会で果たす役割について、様々な可能性を提示しています。先ず、受け入れる人間社会のあり方が問われているとした上で、ロボット社会との共存の問題を解決する事が重要だとしています。今後は、介護の分野への応用が進むと予想されており、多くの可能性に期待しています。

また、著者は大手電機メーカーなどを経て、現在は工業大学の教授をしており、グローバルな視点から企業と大学の橋渡しをしており、生活支援ロボットの市場開拓をライフワークとしています。

本書では、特に医療や介護分野におけるロボットの可能性について言及しており、超高齢化社会を迎える日本にとっては、絶好のチャンスとして捉えているわけです。


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