マンレイドは大きく息を吐いてから、空を見上げる。もう晴天に戻っていたが、その空は少しずつ色の濃さを増し、暗色に近づいてい… | 本で出逢った感動の名言

風の大陸〈外伝 2〉レキサントラの女戦士
著者: 竹河 聖
ISBN:4829124237 / 発売日:1991-11
出版社.: 富士見書房

本で出逢った名言・名セリフ

マンレイドは大きく息を吐いてから、空を見上げる。もう晴天に戻っていたが、その空は少しずつ色の濃さを増し、暗色に近づいていた。

風の大陸 外伝2 レキサントラの女戦士 より

そのセリフに感銘を受けた理由

王子と姫を護衛しながら、別の国に送り届ける話で、傭兵を生業にしている戦士たちと国の娘子軍の戦士たちが護衛をしています。激しく襲われ、戦士たちの激しい戦いや、その中で育んでいく感情が見どころなのですが、その娘子軍の隊長マンレイドが、自身が足の怪我を負いながらも戦い続け、近くで戦っていた部下を喪ってしまいます。そして、その後、マンレイドは生き残り、思いを寄せる相手であるボイスという戦士に担がれ運ばれるのですが、道中仲間が斃れているのを見つけて下ろされたときのシーンです。

戦いが落ち着いた部分を晴天で表し、空の色の濃さが増してきたことでマンレイドの心を表しているような気がします。王子と姫を送り届けることにはいろいろな事情があるのですが、そのために払った犠牲の大きさや、心の移り変わりをうまく捉えている景色の移り変わりが私はすごく好きです。

風の大陸という作品は、様々な悲しい過去を抱えた登場人物が、その過去と対峙しながら生きていますが、どのエピソードよりも、シリーズの主要人物の一人ボイスの過去を描いた『レキサントラの女戦士』が私は一番好きです。その中でも、仲間を喪ったマンレイドのこのシーンは、ずっと心に残っていて何度も読み返しています。

もう色あせて古くなってしまった本だけど、またいつかこのシーンを読み返すでしょう。また、夕暮れ前の美しい空を見上げる機会があれば、またこの作品を読みたいと思ってしまうのだと思います。

回答者:30代 女性

風の大陸〈外伝 2〉レキサントラの女戦士
著者: 竹河 聖
ISBN:4829124237 / 発売日:1991-11
出版社.: 富士見書房

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