この一年間で学んだことを武器にどう立ち向かっていくのか | [書評]暗殺教室19巻

暗殺教室 19 (ジャンプコミックス)
著者: 松井 優征
ISBN:4088806514 / 発売日:2016-04-04
出版社.: 集英社

最終バトルに向けて、物語が怒涛の展開を見せる一冊だった。

ここまでの話をおさらいすると、一年以内に殺せんせーを暗殺できないと彼は自爆し、地球が滅びるということだった。しかし、その可能性は1%と低いことがわかった。

成長のきっかけとなった暗殺は卒業まで続行すると決め、希望の進路へと進むために勉強に励むE組メンバーであったが…。ここではこの一冊から二つの見どころを紹介したい。

E組の日常と思い出づくり

殺せんせーが自爆する可能性が低いと判明したことと、全員が第二志望以内の高校に合格したこと。これで肩の荷が下りた殺せんせーが企画したのは…なんとE組オリジナル卒業アルバムの編集作業だった。表向きの担任は烏間ということになっているため、学校全体のアルバムには殺せんせーは心霊写真のようにこっそり写りこむしかない。

ここで火を噴くのが、せんせー秘蔵の隠し撮り写真だ。ツンデレスナイパーの速水がペットショップで可愛い猫にデレデレだったり、姫系の服を試着するプリンス…でなくプリンセス片岡だったり、岡島が全裸で夜の校舎を徘徊していたり…。

殺せんせーは、暗殺とか進路とかの前にこの性癖を直すべきではないだろうか?しかも、これを見た岡島の口ぶりだと、もっとヤバい行動をしているようだ。これよりとなると、犯罪クラスしか思い浮かばないが大丈夫か。

殺せんせー暗殺兵器の始動!

夜、卒業アルバムを編集する殺せんせーを襲ったのは、対殺せんせー用透過レーザー「天の矛」だった。彼は辛うじてレーザーの照射から逃れるが、山全体を包囲するレーザー「地の矛」で脱出する術を失ってしまう。

E組メンバーは裏山へと急ぐが、各国による厳重な包囲網に立ち阻まれ、伝説の傭兵であるホウジョウ率いる精鋭集団に保護という名目で拉致・監禁されてしまった。

そんな彼らの前に現れたのは、この暗殺作戦の指揮官。殺せんせーが自爆する可能性が1%しかないのだからと、作戦の中止を請う。しかし、地球が滅びる確率が1%というのは高すぎる。そう言われて、E組メンバーは反論することができなかった。

正直、これはもっともだと思う。ちなみに、1%という数字は日本人の60歳代の死亡率とほぼ等しい。元気で過ごす人は多いが、報道を見ているとその年代で亡くなるケースも珍しくない。それを考えると、1%という数字は何としても排除しなくてはいけないものだと言える。

そして、烏間の厳しい言葉と、イリーナの超絶テクニックのサポートを受け脱出し、殺せんせーに会いに行こうとするE組メンバーだった。しかし、彼らの前には伝説の傭兵、ホウジョウとその部下たちが立ちはだかる。

この一年間で学んだことを武器に、どのように立ち向かっていくのかが熱く描かれている。是非見届けてほしい。

暗殺教室 19 (ジャンプコミックス)
著者: 松井 優征
ISBN:4088806514 / 発売日:2016-04-04
出版社.: 集英社

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