ストロークの精度を上げる方法。テニスを徹底的に科学する | [書評]リチャード・ショーンボーン博士のテニスゼミナール


テニスの初心者から中級ぐらいまで活かされるメソッド

リチャード・ショーンボーン博士は、月刊誌の”テニスマガジン”に「テニスゼミナール」というコーナーを連載しており、それをムックの形でまとめたのが本書です。

ムックですので、カラーで写真豊富、絵もたっぷり、文章少なめですので、読みやすいです。そして、ポイントとなるテニスを徹底的に科学した結果が書かれています。私は、テニススクールにテニスマガジンが常備してあるので流し読みしていました。つまり、スクールでもオススメの雑誌ということになります。個人的には、月刊誌”スマッシュ”を、企画を見てたまに買います。

テニスを「徹底的に科学する」10個のセミナー

“テニスマガジン”からショーンボーン博士の10個のセミナーを集めています。概要としては、各セミナーのタイトルの意味より、次のような内容です。
・将来のテニス動向
・ストロークの精度を上げる方法(これポイントです。)
・ミスを減らすトレーニング
・正確さ(これもポイントです。)
・現代版ドリル
・ショートゲーム
・連続ポイントを取る
・ストロークは投げる動作
・上達法のまとめ
・インパクトの大切さ

「徹底的に科学する」とタイトルされるぐらい、本書の内容は論理的、実証的です。そのために必要なデータがちゃんととられていることがよくわかります。ですので、説得力があるわけです。テニス教本は、論理的な部分を省いて、理想論を語るものがありますが、それも参考になりますけど、やはり「なぜ?」というのを解決する記述が欲しいものです。本書はその観点で問題なしです。

ストロークの精度を上げる方法

一番練習に活かせそうなのは、「ストロークの精度を上げる方法」です。ここで、ショーンボーン博士は、以下のように言い切っています。

ストローク精度に「完璧」はない!「完璧に近づけていく」ことが重要!

具体的な方法としては2点です。

ターゲットを狙わないショットはいっさい打たない!
ターゲットエリアに対する飛球軌道を描く

ターゲットエリアへの意識は、「正確さ」の章でも出てきます。これは私の意識改革のポイントとなりました。例えば、スクールのストロークやボレーの練習で、コーン(道路工事とかで見かける三角のあれ)をコートにおいて、そこを目標として狙うわけですが、たまーに当たります。

が、そうではなくて、コーンを含めた付近(ターゲットエリア)にボールを入れることを意識する、そのために体を調整することが重要という意味です。コーンに当たってもすごくはないということです(サービスだと極狙いなのでコーンに当てたいですが)。

また、ターゲットエリアに届くまでの軌道を考えることが重要であることが書かれています。フラットでもスピンでも良いですが、打つ前にその軌道でボールを飛ばすか考えておく必要があるということです。今までのスクールの練習では、結構ワンパターンになっていたので変えてみようと思います。

ターゲットエリアを狙うのは意外と難しい…

正直テニスしない人には、興味ない本だと思います。テニスする人なら、一度読んでみるのをオススメします。しかし、ターゲットエリアを狙うのは、サイドは意外とできても前後は難しいんですよね。特にベースラインのターゲットエリアに対しては、スピンが掛からなかったりしてあっさり超えてオーバーするんで。


あわせて読みたい