年間300冊読む読書家、中江有里のエッセイ | [書評]ホンのひととき 終わらない読書

ホンのひととき 終わらない読書
著者: 中江 有里
ISBN:4620322504 / 発売日:2014-05-30
出版社.: 毎日新聞社

もともと新人女優の頃からのファンなので…

女優、脚本家、作家、書評家、コメンテーターの中江有里さんのエッセイ本です。作家としての彼女の実力は如何にということで、まずはエッセイ本を読んでみました。NHKの「あさイチ」などで書評するときと同じような雰囲気を持った文体で、ほんわかしている本に仕上がっています。

本書の構成

目次は以下のようになっています。

I ホンのひととき(エッセイ)

II 読書日記 2011~2014

III 書評の本棚

「I ホンのひととき(エッセイ)」は、純粋にエッセイとして書かれています。著者の日々思うことを、柔らかく語るように書き記しています。私が気にいったエッセイは「サプリメント」。この中で、

本を食べ物に例えるなら、一体何でしょう。ズバリ、サプリメントではないでしょうか。食事では足りない栄養を手軽に補ってくれる。現代人にはお馴染みのもの。

そのあとに、嬉しかった日、傷ついて落ち込んだ日、不安な日のサプリメントにはこんな種類の本がいいですよ、と教えてくれます。

また、「併読のすすめ」では、本を買ってどうしても読めないならば、複数の本を並行して読むことを提案してくれています。一冊一気に読める人は良いですが、長編だと面白くなるまで数十ページは読まなければいけないので、疲れてしまうかもしれません。そんな時には、別の本も読んでリフレッシュしながら両方楽しむというアイデアです。これって、結構知らず知らずにやってるように思います。

「II 読書日記 2011~2014」は、日付が入っていない日記の構成になっています。日々の暮らしの中で読んだ本が簡単に紹介されています。書評ではなく、著者がどう感じたかが主体です。著者のその日の体調や感情、出来事とその本がどのように関係しているのかを楽しみながら読めると思います。

「III 書評の本棚」は、純粋な書評です。数えると15冊分でした。ページ数は他の二つの章に比べて少ないです。著者のオススメの本の概要とそれに対する感想が書かれています。

中江有里は本からどのような影響を受けたのか

本書は、エッセイ、書評、日記なのですが、根本にあるのは読書です。読書が大好きで、オススメの本や心に残った本が100冊ほど紹介されています。

本書では、書評は主体ではなく、中江有里さんのこれまでの人生の中で出会った本や人々に中江さん自身がどのように影響されたのかがメインです。出会った人の中で、最も中江さんが尊敬していたのが児玉清さんだということがわかります。

中江有里が好きな人にお勧め

巻末に、本書で名前が出てくる本の一覧が載っていますが、名前だけ見てもよくわからないですし、この本の主体はエッセイなので、やはり本文を読みましょう。エッセイ本は、買う人がその著者を好きかどうかで決まると思います。中江有里さんが本を紹介するコーナーをNHKなどで見たことがある方なら、「中江さんのエッセイならば」ということで、買ってみようと思うかもしれません。

ホンのひととき 終わらない読書
著者: 中江 有里
ISBN:4620322504 / 発売日:2014-05-30
出版社.: 毎日新聞社

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