本で出逢った名言・名セリフ

理論もまた、それが大衆をつかむやいなや、物質的な力となる。

カール・マルクス著　城塚登訳　『ユダヤ人問題によせて　ヘーゲル法哲学批判序説』 より

そのセリフに感銘を受けた理由

社会変革における理論の重要性をのべている部分です。社会を変革しようとするには、闇雲に活動するだけでは足りません。いまの社会の諸問題の構造や原因を解き明かすこと、そしてその分析にもとづきどのように変革すべきかを明らかにすること。理論を明確に示してこそ、人々の共感を得ることができるし、それが権力をも打倒する現実的な力ともなることを、若き日のマルクスは教えてくれていると思います。

現代の社会では、マルクスの当時と比べても多くの問題が起こっており、またそれらが複雑に絡み合っていて、「左翼」も含めてどの政治勢力も変革の展望を示し得ていないのではないでしょうか。『資本論』という形で不朽の研究を成し遂げたマルクスに学んで、闇雲に動くだけでなく、社会の問題に根本的にメスを入れる研究に力を入れる必要があると考えます。

現代における理論を研ぎ澄ますことこそ重要です。

回答者：40代 男性