死体には三種類あるのです。「ない死体」「死体でない死体」「死体である死体」の三種類です。 | 本で出逢った感動の名言

死の壁
著者: 養老 孟司
ISBN:4106100614 / 発売日:2004-04-16
出版社.: 新潮社

本で出逢った名言・名セリフ

死体には三種類あるのです。「ない死体」「死体でない死体」「死体である死体」の三種類です。

死の壁 より

そのセリフに感銘を受けた理由

この三種類の死体には英語でいう人称を当てはめることができます。まず、一人称の死体です。これは、自分の死体だから、見ることも触ることもできない。概念としてしか、存在できないということです。二人称の死体は、親しい人の死体です。抽象的な死とは別に、悲しみなどの感情をもって見つめる死はこれに当てはまります。最後に三人称の死体は、アカの他人の死体。養老先生は、学生時代解剖学を専攻されており、死体を身近に扱ってきました。死体をどう捉えるのか、それは人それぞれちがいます。

先生は、死体を生きている人と同じように扱う。二人称の死体として捉えるのです。それは、人間だけでなく、動物に対しても同じであり、人間として自然なことだ、と述べています。私はこの考えに共感しましたし、死を重く考えることは、人間的なことだと思います。最近のフィリピンでの麻薬犯罪者の大量虐殺のニュースと合わせて、考えさせられました。

回答者:10代 男性

死の壁
著者: 養老 孟司
ISBN:4106100614 / 発売日:2004-04-16
出版社.: 新潮社

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