古きよき鎌倉の情景と、優しい海風が、心を包みこんでくれる作品 | 読むと旅に出かけたくなる本
古きよき鎌倉の情景と、優しい海風が、心を包みこんでくれる作品
こころ より
この作品は夏目漱石の最高傑作とうたわれ、とても有名ですね。病床の中で書かれたためか、人間の心に深く潜む闇が非常に明確に描かれています。
物語の舞台は郷愁漂う鎌倉で、墓地に優しく漂う海風や、夕焼けの中を走る路面電車など、人間の闇に向き合うストーリーとは対照的な情景がとても印象的なため、深く心に残ります。鎌倉だけでなく、真夏の房総の、時が止まったような感覚を覚える風景にも、旅情を誘われます。
物語に登場する「先生」のように、自らの欲のために起こった悲劇に苛まれる経験は、誰しも少なからずはあるのではないでしょうか。そんな傷を抱え、痛みを持て余したときには、優しい鎌倉の海風や、時の止まった房総の日差しに当たりたい、と感じることでしょう。
回答者:20代 女性
あわせて読みたい