ジグロは、強かったよ。どの追手も、ジグロにはかなわなかった。だけどね、追手を殺すたびに、ジグロの心がちぎれるような… | 本で出逢った感動の名言

精霊の守り人
著者: 上橋 菜穂子
ISBN:4101302723 / 発売日:2007-03-28
出版社.: 新潮社

本で出逢った名言・名セリフ

ジグロは、強かったよ。どの追手も、ジグロにはかなわなかった。だけどね、追手を殺すたびに、ジグロの心がちぎれるようなかなしみをあじわっているのを娘はしっていた。だって、追手は、みんな、ジグロのむかしの友だちだったんだよ。同じ武術をまなんだ仲間だったんだ。追手たちも、ジグロと戦いたくはなかっただろう。でも、王の命令にさからったら、家族ともども殺される。だから、血をはくような思いでジグロを殺しにきていたんだ。

精霊の守り人 より

そのセリフに感銘を受けた理由

親友に頼まれて娘を連れて王の追手から逃げる決心をし、かつての同僚を殺すジグロの心境や、自分を取引材料にされた上に親を殺され、逃げなければならなかった娘、バルサの気持ちを考えたら涙が止まりませんでした。

ある日突然親友から自分の娘を連れて逃げてくれと頼まれ、了承して逃亡生活を続けたジグロは、芯が強く優しいのだなと思っています。そんな彼が、自分とバルサの身を守るためとはいえかつての同僚と戦うのは、本当に、文字通り身を切るような思いをしたでしょう。そしてそれを傍らで見ているバルサも、ジグロの悲しさや悔しさを感じ、原因になった自分を責めたのではないでしょうか。どうしようもないやるせなさは、ジグロとバルサはもちろん、追手たちにもあったでしょう。

詠みながら彼らの気持ちが伝わってきて号泣していました。

回答者:20代 女性

精霊の守り人
著者: 上橋 菜穂子
ISBN:4101302723 / 発売日:2007-03-28
出版社.: 新潮社

あわせて読みたい