今すぐ読んでおきたいテクノロジートレンド | [書評]図解入門 最新人工知能がよ~くわかる本

図解入門 最新人工知能がよ~くわかる本
著者: 神崎 洋治
ISBN:4798046876 / 発売日:2016-07-05
出版社.: 秀和システム

難しい数式は一切登場しません

「図解入門」というだけあって、本書は工学系の人工知能本に出てくる難しい数式はありません。文系の人でも十分読めるコンピュータ技術が書かれています。今後、いやすでにビジネスでも活用が始まっている人工知能ですので、文系のビジネスマンの方にも是非読んでいただきたいです。

人工知能はまだ開発されていない

本書の冒頭の「はじめに」に次のように書かれています。

人間のような知能を持ったコンピュータ、「人工知能」はまだ存在していません。

しかし、人工知能を構成する多くの技術が急速に発達しています。本書では、それらの技術について解説しています。

本書の内容

本書のタイトルに「図解入門」とあるように、本書は図を多く利用しています。これにより、読者の方は、人工知能関連の技術を容易に理解できるでしょう。

本書は、大きく4つの章に分かれています。

第1章 AI関連技術の最前線?過去から未来までの系譜
第2章 AI技術のビジネス活用
第3章 超入門かんたん解説 AI関連技術と専門用語
第4章 AIを牽引する主要プレイヤー

第1章では、なんといってもインパクトの大きかったGoogleの「アルファ碁」の話から始まっています。第1章の中で、個人的に記憶に残る言葉として「弱いAI」と「強いAI」が書かれています。より人間に近い、つまり本来の人口知能と言えるのが「強いAI」、アルファ碁のように一面に秀でた技術は「弱いAI」とされています。現在急速に進化しているのは、「弱いAI」です。弱いAIだとネガティブな名前に聞こえますが、実際にはビジネスで利用されやすいのは弱いAIです。強いAIは、HAL9000やアトムの領域に近いのです。

すでに多くの企業が参入、しかしトップはIBM

アルファ碁のインパクトもあり、Googleは人工知能、実際にはディープラーニングの領域で強い影響力を持つようになりました。しかし、ビジネスで見ると、第4章の冒頭で登場する「IBM」がトップです。「IBM Watson」というプラットフォームを提供しています。クラウドで提供されていますので、自社システムで活用することもできます。

ディープラーニングの不思議

巻末の「おわりに」で、著者は次のように書いています。

しかし、ここまで読んでお気付きの方もいるかもしれませんが、ディープラーニングには大きな問題というか課題があります。

この課題については是非本書で確認して欲しいです。私も、「なるほど、確かに」と思いました。ディープラーニングで得られた結果を、発注者に納品しても、困ったことになるかもしれません。

図解入門 最新人工知能がよ~くわかる本
著者: 神崎 洋治
ISBN:4798046876 / 発売日:2016-07-05
出版社.: 秀和システム

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