日本と変わらない日常茶飯がいかにも著者らしい | 読むと旅に出かけたくなる本
日本と変わらない日常茶飯がいかにも著者らしい
「ガンビア滞在記」(庄野潤三) より
ロックフェラー財団の招きでオハイオ州ガンビアに留学した著者がその一年間の日常を綴った本で、同様にロックフェラー財団に招かれた作家(庄野と同じ第三の新人が多い)のなかでも、人口わずか600人の町に留学を決めたのはおそらく庄野潤三だけのはずです。
外国に住むことになっても日本同様の生活態度を崩さない著者の姿は、その著書に親しんだ者にとっては頼もしく、また当然だろうという気にもなります。ガンビアの町には特にこれといった波瀾も起こりません。ここにも日本と同じような人がただ暮らしているだけ、と思わせるのがいかにも庄野潤三らしいところです。
ガンビアの町に行ってみたいと思いますが、多分、この本ほどの面白さはないでしょう。
回答者:50代 男性
あわせて読みたい