村上春樹氏の目を通して、海外旅行気分が味わえる贅沢なエッセー! | 読むと旅に出かけたくなる本
村上春樹氏の目を通して、海外旅行気分が味わえる贅沢なエッセー!
遠い太鼓 より
作品の冒頭で登場する、二匹の蠅が頭の中でブンブンと飛ぶという描写で海外に出たいという気持ちを表している部分があるのですが、この描写がすごく心に残りました。
この作品は村上春樹氏のギリシャ・イタリアでの滞在(放浪)生活をまとめたエッセーなのですが、東京を飛び出して文化も時間の流れる速度も異なる異国の地にワープしたいなあとジワジワ感じる気持ちをよく表していると思いました。現地の人と積極的に関わるわけではなく、観光目的でもなく、日本人のいない環境に身を置いてじっくり人間観察を楽しむ姿には、日本人がいつもしているような海外旅行とは全く異なり、一部の人だけが楽しめる目線なのだろうと貴重な印象を受けます。
村上氏の鋭い洞察力を通して、私もギリシャ・イタリアののどかな風景を見ているような気分になれる作品です。
回答者:30代 女性
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