「そんなこと、あたしにできるはず、ないじゃない!」 | 本で出逢った感動の名言

図南の翼 十二国記
著者: 小野 不由美
ISBN:4062730529 / 発売日:2001-01-17
出版社.: 講談社

本で出逢った名言・名セリフ

「そんなこと、あたしにできるはず、ないじゃない!」

図南の翼 より

そのセリフに感銘を受けた理由

王が立たねば国が荒廃するという世界において,王を目指すため苦難の旅を続けてきた少女が,「王の責務を正しく果たせるのか?」と天仙に問われた際の返答です。彼女はその旅程において常に自信に満ち溢れた振る舞いをしていましたが,それは決して過信ではありませんでした。自分にできることとできないことを弁えた上で,義務として王を目指すのだと彼女は言います。国が荒れ,人々が死ぬのを見過ごせないからです。

このセリフは,自分に何ができないかを承知の上で,なおも行動した彼女の真摯さ,意志の強さ,そして美しさの全てが凝縮された一言だと思います。おそらく,このシーンで彼女が「できるわ!」と答えていたら,ここまで衝撃は受けなかった気がします。

「あたしにできるはずない」という,一見するとネガティブなセリフが輝くのは,これぞ物語の妙味といったところでしょう。

回答者:30代 男性

図南の翼 十二国記
著者: 小野 不由美
ISBN:4062730529 / 発売日:2001-01-17
出版社.: 講談社

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