拓斗くんはさ、自分のこと、観察者だと思ってるんだよ。 | 本で出逢った感動の名言
本で出逢った名言・名セリフ
拓斗くんはさ、自分のこと、観察者だと思ってるんだよ。
何者 より
そのセリフに感銘を受けた理由
この言葉は、主人公の拓斗の友人の理香から放たれた一言です。拓斗は他人を馬鹿だと思うことで、自分の賢さを自己肯定しようとします。SNSに友人の「痛い」と思う発言をこっそりと書き込み、知らない人から共感を得ることで自分の正しさを確認し続けるかわいそうな主人公です。でも拓斗の汚い部分が私自身と似ていると思い、このことばがこころに突き刺さりました。
就活は、戦争であり他人を信じれば馬鹿を見ると勝手に思い込んでいた時期もありましたが、そう思えば思うほど孤立していきうまく内定を取ることができませんでした。この小説に出てくる人間は、みんなとても人間らしいです。ずるくて、汚くて、悲しくて、でも優しい。誰もが誰かに認められたいと思いながら、誰かを愛することを拒むという矛盾を細かく描写している素敵な作品だと思います。
回答者:20代 女性
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