つらい勉強は不要! 無理なく楽しく英語を身につける多読3原則 | [書評]快読100万語! ペーパーバックへの道


本書は、外国語学習に対する私の見方を根本的に変えてくれました。

実用的な英語(いや、それ以外の外国語でも!)を身につけたい方、ぜひこの本を手にとって、多読を始めてみてください。数ヶ月後には見違えるように上達していますよ。外国語を習得しようという人すべてにおススメの本です。

1.多読3原則で100万語読む

もしすべてをすぐに実行できれば、たいして時間がかからずにペーパーバックを読めるようになります。

この本は、(1)辞書を引かない、(2)わからない語をとばす、(3)むずかしかったらすぐ投げだして次の本に移る、という多読3原則を提唱しています。

具体的にいうと、子供が読むような絵本(すごくカンタン!)からはじめて、少しずつレベルをあげていきます。辞書なしで自分が無理なく、しかも楽しく読める本を選びます(原則1)。読んでいて、わからない語が出てきたら、辞書を引かず、どんどんとばしていきます(原則2)。もしも途中で話がわからなくなったり、つまらなかったりしたら、途中で読むのを止めて次の本に行きます(原則3)。このやり方で100万語を目標に多読します。

お勧めの本やシリーズが紹介されているので、それを読んでいってもいいですし、自分で本屋、図書館、ネットなどで読みやすい本を探してもいいでしょう。

2.流し読みや聞き取りができるように

100万語の山頂に立ってペーパーバックを自分で選べるようになると、視界が広がってきます。ちょっと大げさですが、未来が広がると言ってもいいかもしれません。

この学習法を、私は早速実践してみました。昨年8月末から12月初めにかけて、100万語読みました。かかった期間は3ヶ月と少しで、1日平均1万語ぐらいでした。読んだ本の数は354冊。一番語数が少ないのはOxford Reading Treeという子供向け絵本シリーズのThe Apple(たった2語! 文字は題名だけで、中身の絵を読むと題名の意味がわかる仕組み)で、一番多いのはLois LowryのThe Giver(約44,000語)でした。

300冊以上も本を買っていると20万円はかかるので、お金の節約のために、学外者でも使える近所の大学図書館を利用しました。私は使いませんでしたが、安い会費で会員に英語の本を貸してくれるブッククラブもあります。これに入るのも手です。

やってみた結果、英語の読解速度が倍増しました。はじめた頃は1分間に100語ぐらいのペースで英語を読んでいましたが、最後のころには200語を超えるようになっていました。英語を流し読みできるようになったのです。

また、英語のテレビドラマも字幕なしで話を追えるぐらいに聞き取れるようになりました。電車で乗り合わせた外国人の英会話もかなり聞き取れます。たぶん多読によって大量の英語に触れたので、英語を和訳せずにそのまま理解することに、頭が慣れたためだと思います。

多読による英語学習方法は、短期間で大きな効果が出ました。同時に、従来の学校や塾で教えられている学習法(単語や文法を覚え、訳読をするやり方)に疑問を持つようになりました。学校の学習方法は定期テストや受験には役に立つのでしょうが、実際に英語を読んだり、使ったりするのに有用か疑問です。中学・高校・大学での成果よりも、たった3ヶ月の多読の成果のほうがずっと大きいのですから。

3.次はロシア語

「めざせ100万語!」は生徒や学生を解き放ちます。そして自分の足で歩き、自分の頭で考えるようになるのです。

私は今後も英語の多読を続けて、次は1,000万語を目指しています。多読の有用性がわかったので、この方法でロシア語も習得しようと準備しています。ロシアに移住するのが私の夢で、この本は夢の実現に糸口を与えてくれました。

書籍紹介

多読による英語学習法。
(1)辞書を引かない、(2)わからない語をとばす、(3)むずかしかったらすぐ投げだして次の本に移る、という多読3原則を提唱し、読書量100万語を目標として、具体的に読む本も紹介している。


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