本当にいいものはとても少ない。何でもそうだよ。本でも、映画でも、コンサートでも、本当にいいものは少ない… | 本で出逢った感動の名言
本で出逢った名言・名セリフ
本当にいいものはとても少ない。何でもそうだよ。本でも、映画でも、コンサートでも、本当にいいものは少ない。ロック・ミュージックだってそうだ。いいものは一時間ラジオを聴いて一曲くらいしかない。あとは大量生産の屑みたいなもんだ。でも昔はそんなこと真剣に考えなかった。何を聞いてもけっこう楽しかった。若かったし、時間は幾らでもあったし、それに恋をしていた。つまらないものにも、些細なことにも心の震えのようなものを託することができた。僕の言ってることわかるかな?
ダンス・ダンス・ダンス より
そのセリフに感銘を受けた理由
そのセリフは自分がずっと思っていたことと同じだったので、自分と同じような考えを持っている人が世の中にはいるのだ、という安心感を感じました。それと、そういった考えを的確に言葉で表すことができる村上春樹の言語感覚に感動したのだと思います。これがプロの作家、超一流の作家なのだと、そのセリフを読んだときに直感しました。
ぴったりの感覚というか、心地いい感覚というか、丁度いい感覚を受け手に与えるのは本当に難しいことで、それができずに多くのクリエータは悩んでいると思いますが、村上春樹はそれをさらっとやってのけるのが凄いと思います。特にこの「ダンス・ダンス・ダンス」という小説は、村上春樹の最高傑作だと個人的に思っています。良い文章と良いセリフであふれた素晴らしい小説です。
回答者:30代 男性
あわせて読みたい