宗教に関する知識がない人、信仰心のない人でも面白い! | [書評]宗教学者の父が娘に語る宗教のはなし

宗教学者の父が娘に語る宗教のはなし
著者: 島田 裕巳
ISBN:4895002047 / 発売日:2016-03-11
出版社.: 牧野出版

「分かり易さ」に徹底して書かれている本

この本はタイトルの通り、まるで子供に宗教の話を伝えるように書かれています。

言葉遣いも内容も、簡単で分かりやすいように意識して書かれているように感じます。また、娘とメールでやり取りをしているという体で話が展開されていくのですが、この話の進め方に関しては、多少癖があるので読み慣れるまでは気に障る部分があるかもしれません。

内容に関してはとても分かりやすく書かれており、そもそも宗教とは何なのか?というような基本的なことから書かれているので、宗教に関して全く知識がなくても読むことが出来ます。

宗教の基本の基本を知りたい人に

僕は宗教学者なので、さまざまな形で宗教と接する機会はあるけれど、特定の宗教を信じているわけではない。だから、僕だって無宗教ということになる。

書中でこのように著者は語っています。そのためなのか、この本ではある一つの宗教に関することを書いているのではなく、いくつかの宗教に関して、さまざまな視点から書かれています。

特定の宗教に関して肩入れするのではなく、それぞれの特徴、似ているところや違っているところなど比較して書かれています。

信仰心がない人にとっても興味深い

日本人が無宗教だと言うときに、それは、神さまも仏さまも、そうした人間を超えた存在のことをいっさい信じていないということではない。

無宗教に関する例として、 多くの日本人は特に信仰がなくても神社やお寺に行くことが書かれています。信仰心の篤くない日本人にとっては特に違和感のないこの感覚が、何か知らの宗教への信仰心を持つ人たちから見るとそれなりに信仰心が篤い集団に見えているのではないかという考え方が示されているのですが、この本を読み進めると確かにその通りだと納得させられます。

そう考えると宗教と言うものが案外身近なもの、無関係ではないものに感じられ、本書を最後まで興味深く読み進める事が出来ました。

宗教学者の父が娘に語る宗教のはなし
著者: 島田 裕巳
ISBN:4895002047 / 発売日:2016-03-11
出版社.: 牧野出版

あわせて読みたい