あんたには、何度も言った。 | 本で出逢った感動の名言
本で出逢った名言・名セリフ
あんたには、何度も言った。
王とサーカス より
そのセリフに感銘を受けた理由
米澤穂信氏らしいとてつもない量の伏線を最後の章で一手に回収するという手法を象徴するセリフだと思います。この本の中で一番の謎が明かされるシーンで用いられたセリフだけに、残る印象は強烈なものです。やられたぁと思う反面、何故気づけなかったんだろうという思いも沸き上がってきて、嬉しさと悔しさが同時に押し寄せてきます。言葉の主の無垢さと思いの深さが伝わってくるセリフであり、思わず100ページ以上も前のページをすぐに見返してしまうほどです。
普通本というものは先を早く見たいと思うものですが、このセリフによって先のページを見るよりも読み返してみたいという気持ちが大きくなります。文字にすると何の変哲も無いセリフですが、作品を読み通した上でこの一言を見ると、とんでもない変貌を遂げます。是非、他の人にも読んでいただいて、この衝撃を味わってもらいたいです。
回答者:20代 男性
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