マンデイは体がこわばるのだって?マンデイはリューマチだって? マンデイは年をとったって? そんなことは信じられない… | 本で出逢った感動の名言


本で出逢った名言・名セリフ

マンデイは体がこわばるのだって? マンデイはリューマチだって? マンデイは年をとったって? そんなことは信じられない。マンデイは喜びのあまり若返って気狂いのようになった子犬である。マンデイはかの背の高い兵士にとびついて吠えたが、その声はあまりのうれしさに喉にひっかかってしまった。

マンデイは地面に転がり、狂ったようにもがいて歓迎の気持ちをあらわそうとした。兵士の軍服の脚によじのぼろうとして滑り落ち、歓喜にむせて、その小さな体がばらばらにならないかと思うほど、地面に身をすりつけた。

兵士の長靴を舐めた。中尉が口では笑い目には涙を浮かべながらようやく抱き上げると、マンデイは軍服の肩に首をのせて、吠えるとも啜り泣くともいえない妙な声をたてながら、日焼けした頸を舐めた。

アンの娘リラ より

そのセリフに感銘を受けた理由

「赤毛のアン」シリーズの一つ。「アンの娘リラ」は、第一次世界大戦中に、アンやその子どもたちにふりかかった出来事を描いた物語です。アンの家族で飼われているマンデイは、小さな雑種犬ですが、アンの長男…ジェムによくなついていて、ジェムが兵士として、列車に乗り、戦地へ出かけてしまうと、駅の構内にある犬小屋に丸まり、そこから一歩も出てこなくなります。

アンや、他の家族がいくらなだめても、すかしても、マンデイは、頑として、駅から離れようとしません。ジェムが戦地へ出かけてから四年の月日が流れて、マンデイも、歳をとり、よろつき、身体がこわばるようになってきました。それでも、マンデイは、駅から一歩も離れません。

そしてようやく、待ちに待ったジェムが帰ってきた時、マンデイは、今までよろついていたことがウソのように跳ね回り、喜びで泣きむせび、ジェムに飛びつくのです。そのマンデイの様子に、何度読んでも涙が出ます。日本とカナダ。国は違いますが、犬の純粋さは、どこに行っても変わらないですね。

回答者:20代 女性


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