【ARMS】歩き続ける事こそ、人が最後までできる唯一の力となる | おすすめ漫画感想

Arms
著者: 皆川 亮二
ISBN:4091248829 / 発売日:1998-02
出版社.: 小学館

主人公の高槻涼は幼なじみの少女赤城カツミと高校生活を満喫していたが、一人の高校生、新宮隼人が彼の高校に転入してました。彼は抜き身の刀のように荒々しい態度を取り、周囲を戸惑わせています。隼人から突然襲われ、困惑する涼でしたが、その直後、異様な姿をした男にカツミが襲われ、窮地に陥ったとき、彼の右腕が異様な変化を見せました。これは彼の力の覚醒であり、その発動は周囲を破壊し尽くしていきます。必死にその場を逃げる涼とカツミと隼人。隼人は涼が自分と同じ力を持つのだと気づき、彼に対して情報と提供し、同士となります。

新たな転入生の武士という少年も力を持っており、彼の妹の麻耶が誘拐されて戸惑うことになります。涼と隼人と武士は協力して麻耶を助け出し、そこで謎の組織エグリゴリの頭領であるキースレッドという男と出会います。彼こそ、新宮隼人の養父を殺害して、彼の故郷である鐙沢村を焼き尽くした本人でした。三人は話し合った後、隼人の故郷である鐙沢村に向かうことに。黙ってついてきたカツミも三人に合流して、村をみた四人は困惑します。村にはエグリゴリによって復興され、その住民には異様な様子でした。その後、村人達と三人のサイボーグ戦士であるクリムゾントライアッドと戦闘になります。

辛くも三人を倒して涼達でしたが、直後にエグリゴリの空襲がはじまります。カツミは村の教会に隠れており、彼女を助けるべく涼は必死で走り続けます。しかし、涼の目の前でカツミは爆発に巻き込まれ消滅してしまいます。涼の中で怒りと悲しみとやるせなさが彼の武器である右腕が、彼の感情に反応して覚醒します。涼は姿を変えて魔獣ジャバウォックへと変化します。魔獣の暴走と爆弾の嵐が終わり彼は人が変わってしまいます。

村から戻った後、今度は反エグリゴリ組織ブルーメンのメンバーの久留間恵と出逢います。彼女の容姿がカツミそっくりであることに戸惑いを覚えますが、彼女は自分の組織にはることを提案します。カツミが生存している証拠を提示され、涼は気持ちを立て直します。恵の提案を断り、カツミを探す旅にでることにした3人の少年達に接触してきたのはブルーメンのリーダーであるキースブルーでした。キースレッドと似た容姿であるのは、彼らがクローンの兄弟であり、彼らを倒すことができれば、カツミを取り戻す事ができます。

カツミはキースの最年少の青年、キースグリーンの庇護の元、静かに暮らしていました。情報からアメリカ合衆国のアリゾナ州の村に向かう涼達ですが、そこでエグリゴリの襲撃をうけ、地下空洞を使い、逃亡します。その後、カツミの母からカツミはエグリゴリ研究班が作り出した適合者、つまりは涼のような存在であることを知ります。さらにニューヨークで出逢ったエグリゴリの科学者から涼達4人は特別は力を与えられていることと、そのすべてのはじまりはアリスという少女のなのだと教えてもらいます。

ただ地下の研究所から出て外の世界を歩きたいという小さな願いを握り潰され、友達を殺されたアリスが怒りと悲しみに荒れ狂うのは無理も無い話だと思います。すべてはエグリゴリの科学者であったアリスの養父であるキースホワイトの野心が招いた悲劇なのです。

涼達4人がアリスの願いを託されて生み出された力と向き合い、その意志を貫く姿勢に感動しました。人の歩みを止めるのは絶望ではないのです。それは願いを諦めてしまうから足を止めてしまうのです。この台詞には心を動かされました。自分の願うことを諦めてしまうことが歩みを止める事なのだと大人になった自分に言い聞かせています。

回答者:30代 女性

Arms
著者: 皆川 亮二
ISBN:4091248829 / 発売日:1998-02
出版社.: 小学館

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