【火の鳥 未来編】死ねない恐怖と繰り返す過ち | おすすめ漫画感想

火の鳥
著者: 手塚 治虫
ISBN:4041851025 / 発売日:1992-12
出版社.: 角川書店

火の鳥のシリーズの中でも未来編は1,2を争うお気に入りのエピソードです。判断をコンピュータに任せたせいであっけなく人間文明が滅んでしまう場面はスマホやパソコンに頼りきりになった現代の私たちにも警鐘を鳴らす恐ろしい場面でした。そして火の鳥に永遠の命を与えられた主人公は死にたくても死ねない体となり文明の行く末を見守ることになります。

この孤独感や恐ろしさときたら…当時の私は死が怖いと考えていましたが、この火の鳥を読んで死がある意味救いにもなることを知りました。そして、何億年という長い年月を経て幾世代の文明が栄えては滅び、黎明編に繋がった時の驚きと感動。この円環構造を見せることで、火の鳥という物語の壮大さや人間は何度も同じことを繰り返すという愚かさなどを表現しています。

自分が生まれる前に書かれた作品ですが現代の佐久k品より遥かに新しく古さを感じさせない素晴らしい作品です。

回答者:30代 男性

火の鳥
著者: 手塚 治虫
ISBN:4041851025 / 発売日:1992-12
出版社.: 角川書店

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