1巻でやめちゃもったいない!ゾンビ漫画の傑作 | [書評]アイアムアヒーロー 1
丁寧な描写がすごい!
このアイアムアヒーロー、35歳の漫画アシスタントの鈴木英雄がいきなり周りがゾンビだらけになってしまい襲われる、といういわゆるパニックホラーものなのですがそこへ至るまでの丁寧な描写が素晴らしいです。
なんと開始1巻まるまる使ってこの鈴木英雄の生活を描いています。まったくゾンビなど出てこなく漫画アシスタントのきついところ辛いところを描く漫画のようになっています。ここでどういう漫画かわからなくて脱落してしまう、という方もいるかもわかりませんがそれはもったいないです。そこからようやく物語が始まるのです。
1巻まるまる序章に使うなんて最近の漫画ではまずない斬新な手法に驚きました。
ダメ人間がヒーローに?
このダメ人間な扱いの鈴木英雄ですが、趣味で猟銃を扱う免許を取っており、ゾンビだらけの世界ではいちやくヒーローに!
と思いきや
…俺には関係ない。なにせ俺は脇役だから……
とひたすら逃げる鈴木英雄、ですが逃げる最中とある女子高生と出会い守る対象が出来たことにより英雄は成長していきます。
卒業アルバムのクラスメイト紹介コーナーに、唯一人「特になし」と書かれてた俺が…この世界の主要キャラ…
やがて生き残った人たちと出会いただ一人の銃持ちということで頼りにされることで自分こそがヒーローになれるかも、と考えを改めていきます。
サバイバル描写もすごい
インフラがすべて止まった街の中で逃げ回る英雄ですがその時の街中の描き方が妙にリアルですごいんですよね。食料を確保するためにゾンビだらけのデパートに侵入したり薬を確保するために病院に行こうとしたりするのですが日常から非日常になった舞台の描き方がすごくリアルでホラー感がすごくうまくできていると思います。
リアルなゾンビホラー漫画が読みたいならアイアムアヒーロー、ぜひおすすめです。1巻だけではなく5巻くらいまで一気に読んでみてください!