罪は清様と私と二人だけのものですわ | 本で出逢った感動の名言
侯爵家の嫡男松枝清顕と、伯爵家令嬢綾倉聡子との恋を描いた「豊穣の海(一)」ですが、愛し合っているのに結ばれない二人の悲恋を本当に美しい言葉遣いで描き出していて素晴らしいです。
ふとした行き違いから二人の心が通じ合っていないと思い込み、清顕との恋を諦めて皇族に嫁ぐことにした聡子ですが、やはり彼女への思いを断ち切れない清顕は聡子との逢引きを重ねます。
聡子の嫁ぐ日はもう決まっていて、相手が皇族であるだけに結婚を取りやめなどできないだけに、限られたわずかな時間の中で必死に逢瀬を重ねる二人の姿が刹那的で、哀れで、そして美しいです。
ついには逢引きのために清顕の友人・本多の力も借りた二人ですが、罪に加担してしまった・・・とつぶやく本多に、聡子が答えるのが上記の言葉です。
終わりが来るとわかっている、しかし時間が限られているからこそその一瞬一瞬に想いをこめている、という聡子の覚悟が伝わるようです。
さらに、限られた逢瀬の中では余人を入れることなく二人でいたい、という聡子の気持ちも入っていると思います。
短いけれど、覚悟ある愛の言葉、という感じで大好きなセリフです。
回答者:30代 女性
本で出逢った名言・名セリフ
罪は清様と私と二人だけのものですわ
春の雪 豊穣の海(一) より
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