弱虫は、幸福をさえおそれるものです。 | 本で出逢った感動の名言

人間失格
著者: 太宰 治
ISBN:4041099129 / 発売日:2007-06-23
出版社.: KADOKAWA/角川書店

 私が当時、都内の大学の2年生だったころに初めて太宰治の『人間失格』を読みました。それまで、本のタイトルだけは知っていましたが、本を読むのが苦手な私は読んだことがなかったのです。しかし、2年次の冬、大学でうまくいかないことが続き、また、自分が大学に入学してやりたかったことを見失ってしまった私は、通学時間が長かったということも相まって、なかなか大学に行くことができなくなりました。

そして、あまり家から出ない生活になって数ヶ月が経過したとき、タイトルに引き寄せられるように、この本を読み始めました。その中の一節で最も共感できたのが、「弱虫は、幸福をさえおそれるものです。」です。このような苦難の中にあっては、幸福を幸福と感じることができず、死というものが一層近くなる。

そういった感情をこの本は代弁してくれたような気持ちになり、同時に涙が出てきました。それが感動した理由です。この小説を生涯の本として、改めて一からやりなおす決意ができました。

回答者:20代 男性

本で出逢った名言・名セリフ

弱虫は、幸福をさえおそれるものです。

人間失格 より

人間失格
著者: 太宰 治
ISBN:4041099129 / 発売日:2007-06-23
出版社.: KADOKAWA/角川書店

あわせて読みたい