さびしさは鳴る。耳が痛くなるほど澄んだ鈴の音で鳴り響いて、胸を締めつけるから、せめて周りには聞こえないように、私はプリン… | 本で出逢った感動の名言
さびしさは鳴るといったように、五感を用いた感情の表現が斬新だからです。学校という集団生活を余儀なくされる状況下で、孤独な立場にいるからこそ、気付きにくい周囲の声や些細な物音に敏感になってしまうという孤独の表現が繊細です。
学校生活に馴染めない主人公が、同じく一人ぼっちである同級生のにな川の背中を蹴りたいという衝動に駆られる場面があり、それは思春期特有の不恰好な恋愛感情を表したようにも思えますが、実際、背中を蹴りたいと思う心理はもっと複雑だと思います。
何でも恋愛という聴きの軽い言葉でまとめるよりも、蹴りたいと表したこの表現の方が的確であると思いました。斬新で繊細な上に、圧倒的文才を感じる作品の一つです。
回答者:10代 女性
本で出逢った名言・名セリフ
さびしさは鳴る。耳が痛くなるほど澄んだ鈴の音で鳴り響いて、胸を締めつけるから、せめて周りには聞こえないように、私はプリントを指で千切る。
蹴りたい背中 より
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