君よ、知るや、諦めの民の愛情の深さを | 本で出逢った感動の名言
まずは『諦めの民』という言葉。主人公のみを限定して指す事も出来ますが『日本人全体』を指す事もできる言葉だと思いますから、ひいては『君』の事も指す事ができる言葉ではないのでしょうか。その『諦めの民』が手放さずに内包し続ける『愛情』。
それが友愛なのか親愛なのか恋愛なのかそれともそのどれをもなのか畢竟解りかねるのですが、最初から最後までほとんど荒立たない、いっそ淡白に思えるほど静かに紡がれていく文章の中で突如として心から溢れ出て現れる、主人公の極彩色とも言える情念を表す言葉が『君よ、知るや、諦めの民の愛情の深さを』なのだと思うのです。
愛しくて愛しくて、でも離れなくてはいけない未来があると解っていて、それでも愛してしまって、どうしようもなく雁字搦めになってしまった主人公の心が表されているようで、このセリフがとても大好きです。
回答者:30代 女性
本で出逢った名言・名セリフ
君よ、知るや、諦めの民の愛情の深さを
秋風記 より
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