これから先の日々を、ひとつづつ、しかも順番に、生きていく | 本で出逢った感動の名言


本作の主人公である、かの有名なビリー・ザ・キッドが、望まぬままに巨大化してゆく自らの伝説と訣別し旅立つ時に、友人である保安官のパット・ギャレットに、これからどうするのかと尋ねられて答えた言葉です。そしてそれが物語のラストシーンでもあります。

本作に描かれたビリーの姿が、史実に忠実なのかそうでないのかは分かりませんが、生まれ育った町を出て荒野さまよい、カウボーイの職を得て、そして再び事件を起こしてさすらいの身になり、ただ一人歩み続けるキッドが、彼を追い続けていた読者である私にも、その言葉を届けたように思いました。

ビリーの、明日をも知れぬ旅でありながら、決して陰鬱ではなく、晴れた荒野に吹くそよ風のような澄んだ文体に魅せられた作品です。

回答者:50代 男性

本で出逢った名言・名セリフ

これから先の日々を、ひとつづつ、しかも順番に、生きていく

「友よ、また逢おう」 片岡義男 より


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