三十五年の間あいだ死のう死のうと思って、死ぬ機会を待っていたらしいのです。私はそういう人に取って、生きていた三十五年が苦… | 本で出逢った感動の名言
人が生きるというのはこういうことなのかなと思いました。人ってたぶん人生、生きていく中で自身が行ったことに対して死にたいほどに後悔することがあると思います。そんな後悔するような過去がある中で、でも大切な今、大好きな今を捨てることはできなくて、またその今の先にある未来をなくしてしまうのも怖いと感じてしまうのだと思います。
でもそんな大切な今も大好きな今もどこかに残酷で、未来を歩んでいくのも苦しくて、怖くて怖くて恐ろしい、そんな風に生きている人はこの世界の中には多くいると思います。それは、この本を書いた夏目漱石も感じていた事であったのだと思います。
なぜなら、本ってやっぱり作者のすべてだと思うからです。この本でこう感じた人は自殺してしまいました。だけど、夏目漱石は生き続けました。そこで、漱石は結局、腹を切って死んでいたのと生き続けたことどちらが苦しくないと結論をしたのか。
生きることの難しさがこの一言で表してあるようで、どちらを選んでも幸せにはなれないかもしれないけど、でも生きていたら何かしら残せるのかなって思えました。だから私はこの言葉が好きです。
回答者:10代 女性
本で出逢った名言・名セリフ
三十五年の間あいだ死のう死のうと思って、死ぬ機会を待っていたらしいのです。私はそういう人に取って、生きていた三十五年が苦しいか、また刀を腹へ突き立てた一刹那いっせつなが苦しいか、どっちが苦しいだろうと考えました。
こころ より
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