作中に登場する先生の「私は私自身さえ信用していないのです。つまり自分で自分が信用できないから、人も信用できないようになっ… | 本で出逢った感動の名言
私の育った家庭は家族の仲が悪く、両親はよくギャンブルの勝ち負けなど小さなことから大声で主に父が怒鳴っていました。当然感情的な喧嘩ですから、汚い言葉、揶揄をするなじる言葉を毎日聞いて育ちました。
一日だけのことならすぐに過ぎ去った過去の出来事となるのでしょうが、幼いころからの長い年月の影響は大人になってもずっと残ります。一日のうちに何度も繰り返し過去のことが思い出されて胸の詰まる感覚に襲われます。
なぜ自分自身を信用しないというセリフに共感したかというと、私は堕落した生き方を送る両親の姿をみて育ち恥ずかしいことをする人間にはなりたくないという気持ちを強くしていましたが、本当に小さい時なら別として自意識が強く育ってくると次第に自分自身の態度や言動のうちに同様の汚さを見つけるようになり、自分自身が汚く汚れていくことに耐えられなくなっていきました。
一度そういう気持ちになると周りによって来る人すべてがけがれるきっかけを与えるように思え、自然と人を避けるようになってきました。
もちろんこれは個人的な心情ではありますし先生のような重い哲学的な人生観とは違ったものでしょうが、私はこの文章を読んだときとても暗い心の底で一人うめいていたので、きがつくとぼろぼろと涙を流していました。
回答者:20代 男性
本で出逢った名言・名セリフ
作中に登場する先生の「私は私自身さえ信用していないのです。つまり自分で自分が信用できないから、人も信用できないようになっているのです。」というセリフ。
こころ より
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