モバイルデザインはアプリの価値を決める | [書評]モバイルデザインパターン 第2版 ―ユーザーインタフェースのためのパターン集


モバイルデザインパターンの効率的問題解決

モバイルデザインパターンは、ユーザーインタフェースのパターンではあるんですが、モバイルデザインパターンの本質は、モバイルWebアプリや、スマホアプリを使用するユーザーさんにとって、彼ら彼女らが行いたいことをどのように解決してあげるかを、アプリ開発者に教えてくれるものです。

アプリのある機能を実現するために考えられるデザインは、普通一つでは無いですね。アプリによって色々な攻め方でユーザーにアピールします。アプリ開発者は、ユーザーが最も喜んでくれるデザインで作るべきです。間違っても、アプリ開発者が「これは斬新でかっこいい」なんて思っただけで、全然非効率なデザインをするべきではありません。

この本は、iOS、Android、Windows Mobileでの既存の多くのアプリ(多くは最新でメジャーです)のUI(ユーザーインタフェース)を紹介し、それを解説するとともに、メリット、デメリットをわかりやすく解説しています。

本書を構成する11章は、2つのブロックに分かれています。
前半のナビゲーション、フォーム、テーブル、検索、並べ替え、フィルター、ツール、グラフまでがUI部品についての解説、
そしで、後半のチュートリアルと誘導、ソーシャル、フィードバック、アフォーダンス、ヘルプ、アンチパターンがユーザーの要望に対する誘導の仕方になっています。

この本の利用方法として、序文に以下のことが書かれています。

・例の中で、うまく機能しているのはどの部分か自分で考えてみましょう。そして、自身が行っているデザインにとって最も適しているものを探しましょう。

・デザインのインスピレーションの源として本書を活用しましょう。アイコンの色や使い方など、パターン自体とは関係のない点でも本書のスクリーンショットは非常に役立ちます。

・既存のアプリの働きを知るきっかけにしましょう。有料アプリ(やデバイス)をいくつも購入しなくても、これらについて学ぶことができます。

実は、アプリ開発者の私にとって最も嬉しいと思えるのは、多くのアプリのスクリーンショットが掲載されていることです。単純にそのまま使ってしまいたいUIが視覚的にわかるので非常に便利です。

前半のUI部品の章

先に書いたようにナビゲーション、フォーム、テーブル、検索、並べ替え、フィルター、ツール、グラフのUIの説明がわかりやすく書かれています。例えば、1章のNAIVIGATIONについてだけでも、永続的パターン、一時的パターン、補助的ナビゲーションと分類されて解説されています。

ここで言うNAVIGATIONには、TabやMenuが含まれるのですが、それらが実際には永続的なのか一時的なのか理解しながら組み込んでいたアプリ開発者は少ないのではと思ってしまいます。

画面設計をちゃんとやっていた方たちにとっては別なんでしょうね。私のように感覚でデザインしてしまう者は、改めてナビゲーションと言うものには意味がちゃんとあり、使い方を間違えないようにしないといけないと知らされます。

この本の中には、多くの「TIPS」が記載されています。「これこれの時には、何々しましょう。」という形式で書かれています。実はTIPSを読むだけでも、非常に自分を良い方向に誘導してくれるので助かります。

後半のユーザーの要望に対する誘導の仕方の章

本書の中には、読者の方が読むと「当然じゃん」と思う記述もあるでしょう。例えば、フィードバックの章には、

エラーはわかりやすい言葉で表現し、解決策も示しましょう。
エラーメッセージは画面のデザインの中に組み込み、問題が発生している箇所を隠してしまうことがないようにしましょう。

とあります。とは、言いましても実は私がこれまで開発してきたアプリの中にはこれを満たしていないものがあるのに気付きました。単に「エラーだよ」とダイアログで表示するだけのアプリになっていることが、皆さんの作られたまたは使われたアプリにあったりしませんか?気をつけないといけないところです。初心に帰ります。

チュートリアルの章では、ルールが細かく示されています。例えば、最初のルールは「文字を少なく」です。うーん、文字ばっかり書いていたことがありました。反省です。

最後に

この本は、多くの既存のアプリを研究し、また各OSのデザインプロトコルも考慮した上で、「デザインはこのようにしたらどう?」という指針を与えてくれます。OSのバージョンアップや新たなアプリの登場で、随時改版されていくことを大いに期待し、改版されたら即買いたい良書です。


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