【書評】夢は努力の賜物だと思わざるをえない小説 | 蒼穹の昴 上・下巻
主人公のひとり、春児が逆境にもめげずに生きるため、家族を守るため、ただ占い師の老婆の言葉を信じてさらなる逆境に入り、そして最終的には老婆の予言した通りの地位にまで上り詰める。春児のとてつもない逆境には涙せずにはいられないほどでしたが、その春児が頑張って、頑張りぬいて物語に再登場した時、目に見えない努力と人に対する優しさ、誠意の大事さを読み取りました。
もう一人の主人公、文秀は努力もあったとは思いますが生まれ落ちた環境も成功するか否かが大きなポイントであると思い、春児ほどには感情移入することはできませんでしたが、十分に魅力的な人物で読んでいて姿形が想像できるような登場人物でした。この本をきっかけに全く興味のなかった中国の歴史に興味を覚え映画まで観るようになりました。
読み終わってから心が晴れ晴れとする物語だと思います。
回答者:50代 女性
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