【書評】いつまでも「終わらない人」となるために | 終わった人

終わった人
著者: 内館 牧子
ISBN:4062197359 / 発売日:2015-09-17
出版社.: 講談社

この本の主人公は、大手銀行出身のエリートでエリートゆえの悩みの連続でしたが、女でエリートでも何でもない私でも妙に共感できる部分が多かったです。ちょっとでも社会で実績があって充実した社会人を送った方で、さらにプライドが高かったり、周囲の目を気にするタイプだったり、敏感だったり被害妄想だったり…そんな方はきっと共感できるはずです(笑)。

私は仕事が大好きでしたが、会社都合で二度退職を余儀なくされた経験があります。不本意ながらも受け入れざるを得なく就職活動をしていたのですが、最初は自分の経歴からして、こんな小さな会社には入りたくない!と思ったり、こんな無名の会社に入ったら恥ずかしい…など、見栄を張ってしまっていました。ところがなかなか会社が決まらない。そうなると自分が存在価値のない「終わった人」のような気になってしまい、自信を失い塞ぎ込んでしまうこともありました。こういう時、なぜか周囲が羨ましく見えるものです。

その後縁あって就職できた時に感じましたが、どのくらい凄い会社に就職できたかということよりも、その仕事や自分の人生を前向きに楽しめているか、自分を認められているか、誇りを持てるか、ということの方が大事なのだと感じ、今回この本を読んで改めて実感しました。

回答者:30代 女性

終わった人
著者: 内館 牧子
ISBN:4062197359 / 発売日:2015-09-17
出版社.: 講談社

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