【書評】名俳優堺雅人の日常エッセイ。実はすごく為になる現代の徒然草 | 文・堺雅人 すこやかな日々
エッセイなので読みやすいです。
著者の豊富な知識に裏付けられた文章が大変ためになります。
たとえば、同郷の歌人若山牧水を紹介したり、著者自身の撮影現場での苦労を楽しく読みやすく書いていたりしているなかに、スタニラフスキイ「俳優修行」や世阿弥「花伝書」を引き合いに出していたりして、読み物としてもとても面白く、知識もつきます。
それたけではなく、彼の考え方や過去の経験談は実に根源的で共感しやすく、多くのひとが読めるものだと思います。
そして、彼の文体のいい意味での温度の低さに癒されます。気負わずゆったりと読んでいたりしていても急に本質を突くような話が出てきたり、今の自分の悩みが解決するようなヒントや、気持ちがふと楽になるような文章が隠れています。
気分が良い時、落ち込んでいるとき、悩んでいる時、お昼でも夜でも読める本ていうのは実はあまりないのです。
どんな時でも楽しめる素晴らしい一冊です。
回答者:20代 女性
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