【書評】近代神智学の最終到達点としてのシークレットドクトリン(秘められた世界の法則) | シークレット・ドクトリン 第三巻上


世界の構造、特に神やこの宇宙の成り立ちなどについて、東洋西洋の諸宗派の奥義を踏まえて体系的に解説された書籍は他にないと思います。

マダムプラヴァツキーは近代神智学を再構成して、神智学協会を設立し、インドやスリランカを独立させるに至る後の仏教改革者達の産みの親でもあります。また、近代オカルトの源流者として後の様々なオカルト宗教のベースとなる考えを再生した立役者でもあり、本書ではその奥義の一端を垣間見る事ができます。

150年間翻訳されずに居た本書ですが、日本の諸宗教が信者に隠す魔術や催眠と神の御業の見極め、キリスト協会が如何に秘儀を守り継承してきたかなど、西洋神学及び東洋の最古の神学体系であるジャーンの書などの諸宗教の真髄を分析・研究した本としてかなり有意義な本かと思います。

本書はHPBの死後にアニーベサントがメモをまとめたものであり、あまり知られる事の無いベサントの神学への解釈を知る上でも貴重な書物かと思います。

回答者:30代 男性


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