【書評】小さな子の子育てに忙しい主婦の心の負担を軽くしてくれる、救世主のような本 | 一汁一菜でよいという提案

一汁一菜でよいという提案
著者: 土井 善晴
ISBN:4766129547 / 発売日:2016-10-07
出版社.: グラフィック社

instagramやお昼の番組などで「お洒落ご飯」や「カフェ飯」がすごい、当たり前のような風潮になってきていて、気にしないつもりでいてもSNSやお洒落な料理本を見るたびに圧迫感を感じる日々でした。

家族の健康の源である毎日の食事を作っていく中で、子どもが小さいとどうしても時間に追われがちで調理時間にも余裕がなく、それでも見目の悪くない・栄養のある・美味しいご飯を作らなくてはいけないプレッシャーばかりが大きくなってきて、お洒落な料理のレシピを巡ったり、料理本を買い漁ったり、食事を作ることに疲れてきたとき、偶然出会った本でした。

その内容はとてもシンプルで、昔は一汁一菜という食事を続けてきたのだから、栄養面で不安になることはない、ということ。具沢山の味噌汁だって立派なごちそうである、ということ。一度一汁一菜という食事にしてみて、「余裕ができたらもう一品頑張ればいい」というやり方でいい、ということ。そうすることによって気持ちに余裕もできて、料理を作ることを楽しむことができる。「食生活のリセット」を教えてくれました。

見栄を張った身の丈に合わない食事なんて楽しくない。確かにそうだと納得しました。お洒落な食事ができたときは「わっ」と驚きがあって喜ばれるし楽しいのですが、それまでの調理時間、驚きのあとのなんとなく感じる窮屈さがなんともしんどい気持ちになるのです。そんな豪華なごちそうはたまにでいい、ということを理解した時、心がふっと軽くなりました。

毎日の栄養や成長が気になる、手のかかる小さな子どもを育てているからこそ、土井先生の「一汁一菜”で”よい」という言葉がぐっと心に沁みて、肩の荷をおろしてくれたのだと思います。心の負担を軽くしてくれる書籍として、とても役立った本でした。

回答者:20代 女性

一汁一菜でよいという提案
著者: 土井 善晴
ISBN:4766129547 / 発売日:2016-10-07
出版社.: グラフィック社

あわせて読みたい