【書評】文学の衰退と可能性。 | 好き好き大好き超愛してる
文壇に対する批判的な見解は多々存在するが、その客観的証拠となるのが本作の存在ではないでしょうか。
舞城王太郎という天才的作者が日本文学界の救世主であるということは広く認められるところではありますが、その作者に対して芥川賞を与えることができなかったという点において、日本文学界がいかに商業的であり、また、権威主義の中にあるかということを露呈してしまっています。
この当時の芥川賞選考委員は非常に高齢の方もいらっしゃって、そして、その人たちの感性に合わないからという理由で、この作品は賞を逃しました。読めばわかります。この作品の全てが、文学というものの進化の可能性を提示してくれていることに、読者みなが感じたことではないでしょうか。
そういった意味において、本作品、是非一度は手にとってみるべきだと思います。文学の可能性、そして、それがなぜ評価されないのか、これらを実際に知ることができるのです。
回答者:30代 男性
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