【書評】至極の作品。全てを兼ね備えた小説界の金字塔。 | 1Q84
日本文学界の頂点に位置付けられる人物の最高の作品に触れることができるのは日本人としての誇りであると思われます。
昨今では、常にノーベル賞が引き合いに出されてしまって、また、作者自身の個性的なキャラクターの所為もあって、作品自体の純粋な評価がなされることが難しくなっているようにも思うのですが、この長編こそ、エンタメ性・文学性を共に兼ね備えた一級品ではないでしょうか。
また、時折表現される時勢に対する批判めいた観点も、今を生きる我々にとっては非常に考えさせられる契機となるもので、その見解の是非はさておき、小説という形式をもって諸々の問題提起をするその術は、世界クラスだと思います。
そして、小説として、つまり、登場人物の非現実的な格好良さであるとか、愛とは何であるかとか、口にするのも恥ずかしいようなラブロマンス的要素も兼ね備えている本作品は、至極の一品だと考えられます。
回答者:30代 男性
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