疲労の原因は肉体では無く脳にあった!? | [書評]すべての疲労は脳が原因

すべての疲労は脳が原因
著者: 梶本 修身
ISBN:408720829X / 発売日:2016-04-15
出版社.: 集英社

最近疲れていませんか?

こう聞かれたら、多くの人が「YES」と答えるだろう。日本は疲労大国と言っても過言では無い程、多くの方が慢性的に疲労感を感じている。近年では過労死を意味する「KAROSHI」が英語辞書に掲載された。一説には就労人口8000万人の内3000万人が慢性的な疲労を感じていると言う。

では、疲労の原因は一体何なのだろうか。そしてどのような対策を取れば良いのだろうか。この本は最新医学の見地からこの2つの疑問に対する解答を提示している。その内容の一部を今回紹介したいと思う。

疲労の原因は肉体では無く脳にあった

まずこの本では疲労の原因が活性酸素であると語られる。運動や仕事をしている際には人体に大量の酸素が取り込まれる。この酸素は活性酸素に変化し、脳の神経細胞を酸化させる。酸化した神経細胞は正常に動作しなくなるため、脳細胞が大量に酸化すると、脳はこれ以上酸素を大量に必要とするような活動をしないようシグナルを送る。このシグナルが疲労感の正体である。

今までの疲労対策は間違っていた

コンビニやドラッグストアにはさまざまな栄養ドリンクが並んでいますが、どれをとっても「疲労が改善する」という表示はありません。現在のところ、疲労回復効果が証明されているものはひとつもないからです。

上記は栄養ドリンクに対する著者の見解である。本書ではこの栄養ドリンクを始め、ニンニク、鰻、仕事後のジムでのトレーニング、週末の早朝ゴルフ等、これまで疲労に効果があると言われていた食べ物や行動の殆どに神経細胞の酸化を防ぐ効果は無い、つまり疲労回復効果は無いと断じている。寧ろ逆効果になってしまうものすらあるという。

疲労に効くのはイミダペプチドとだ

では一体何が疲労を回復する効果があるのか。本書では様々な方法が紹介されているが、その中の1つ、イミダペプチドを紹介しよう。まずはこの成分に対する著者の言葉を引用したい。

イミダペプチドには酸化ストレスを軽減する抗酸化作用があり、そのことが疲労を軽減する効果をもたらすことが明らかになりました。

そう、このイミダペプチドは疲労の原因となる活性酸素による酸化を軽減する効果があるのだ。イミダペプチドというと聞き慣れない言葉かもしれないが、鶏の胸肉に豊富に含まれており、胸肉を100g程摂取すれば疲労軽減に効果を発揮するという。

まとめ

本書には上記で紹介した以外にも、最新医学によって立証された多種多様な疲労対策が紹介されている。日々の疲労に悩んでいる方は本書を手に取って欲しい。疲労と上手く付き合って生きていくヒントになる筈である。

すべての疲労は脳が原因
著者: 梶本 修身
ISBN:408720829X / 発売日:2016-04-15
出版社.: 集英社

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