禅とは何かを一言であらわすのは難しいですが、あえて一言で言うとすれば、それはシンプルであるということでしょう。

なぜ禅僧は修行をするのかという疑問があります。また、枯山水や精進料理など、現代まで生き残っている理由についても疑問を抱いてしまいます。それらの答えは、禅、すなわちシンプルであることに通じます。

何かのプレゼンテーションを行うときに、だらだらと複雑な説明をしてしまうと、聴衆は理解に苦しみます。

複雑なものほどシンプルに伝えなければならないということの重要性について、分かりやすく解説されていると言えるでしょう。人生の問題は、究極的に生きるか死ぬかというシンプルな課題に帰着します。

デザインについても、それを見る人に対して、言葉を超越した視覚的なコミュニケーションで訴えかけるような試みが大切だと、この本では紹介されています。また、デザインの余白がもつ聴衆への影響について、高尚なアドバイスに豊富なサンプルを交えて解説しています。

視覚的に優れたプレゼンテーションとは何かということについて、分かりやすく説明をしてくれています。

プレゼンテーションの資料を作った経験のある読者なら、この本を読むことによって、過去に自分が作ったプレゼンテーションの資料が、いかに分かりにくいものだったかと考えさせられるでしょう。伝える内容だけではなく、構図とか色使いなどのバランスも大事だ、という新たな発見があるでしょう。