[書評]オートメーション・バカ -先端技術がわたしたちにしていること-


現代社会に生きる私たちは、様々な生活の場面において「自動化」という恩恵に浴していると言えます。

身近では病院の予約システム等があり、ネットでの商取引や株取引、そして工場などのロボット操業等に至るまで、「自動化」は欠かせない手段として社会に根付いているわけです。

それを支えているのが、コンピューターを中心にした高度なオートメーションシステムで、便利な反面、深刻な問題を引き起こしかねないと言えます。

自動化システムの最先端となっているのが、航空機等の交通システムですが、一度マシントラブル等が発生すると、重大な事故に繋がるわけです。同様に、深刻な事態に繋がる自動化システムのトラブルの可能性は、実は私達が考えるより高くなっているのが現実です。

「ネット・バカ」の著者が、そうした陰に隠れた「自動化」社会のリスクを私たちに投げかけていると言えます。

現在、クルマの自動化システムの開発が進んでおり、アメリカでは一般道での実用段階に入っています。それを本当に手放しで喜んでいいのか、著者は疑問を投げかけているわけです。

確かに、日本においては高齢者の認知症発症率が高まり、将来は5人に1人が認知症になると言われています。そうなった場合に、ドライバーの判断能力の衰えを補うものとして、自動化システムは有効だといえます。

しかしながら、社会全体として自動化システムが当たり前になってしまうと、クルマに乗る本来の楽しみや喜びが失われてくるのではないかもと思います。


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