読みやすくわかりやすく情報豊富な定番PHP入門書 | [書評]独習PHP 第3版

独習PHP 第3版
著者: 山田 祥寛
ISBN:479813547X / 発売日:2016-04-09
出版社.: 翔泳社

必要十分に描かれていることが一番の売り

第3版ということで、広く支持されているPHP入門書です。大型本576ページと情報量豊富なのですが、PHPを勉強する人には必要な内容が網羅されています。下手な著者の本だと、この手のプログラミング解説本は、支離滅裂になるか、サンプルプログラム作って終わりというものがあります。

しかし、本書は違います。ちゃんと構成が練られており、必要な情報を分かりやすく説明しています。他のプログラミング言語の本でもあまり見たことがないぐらい構成の良い入門書だと思います。PHPを知りたい人には絶対オススメです。

第3版では、PHP7に対応

表紙にも書かれていますが、PHP7対応です。本文中にPHP7の新機能の場合には注釈を入れてくれています。表紙に書かれていますが、本書は、解説、例題、練習問題で構成されています。

例題はコーディングサンプルですので、解説と例題だけ読んでも最初は十分でしょう。練習問題は、Q&Aの場合と、試しにプログラムを拡張してみるパターンがありますが、時間のあるときの暇つぶしぐらいでも良いです。

第1章の「イントロダクション」は、PHPの概要と開発環境、実行環境の説明です。開発環境の話では、いくつかオススメのツールが紹介されます。私は、使ったことがないものが紹介されており、試しに使ってみましたがハマりました。てっきり、有料のPHPStormを買うか、EmacsにPHP用のLispをあてるかしなければと思っていたので、非常に助かりました。

「イントロダクション」以降は、「PHPの基本」、「演算子」、「制御構文」と基本が続いて、さらに「組み込み関数」、「ユーザ定義関数」、「標準クラスライブラリ」とコーディングの前準備が有ります。「標準クラスライブラリ」では、ComposerやSmartyがちゃんと説明されているのでエライ!続いて、「リクエスト情報」、「データベース連携」、「オブジェクト指向構文」ときて、「セキュリティ対策」が親切にも書かれています。さらにエライ!

必要な情報が過不足なく書かれていて読みやすい

もともとPHPは、プログラミング言語では簡単な方ですが、同じインタプリタ系のPerlやRubyを知らない人でも、簡単にPHPプログラマに成れるだけの情報が詰まっています。

記述がくどくないです。例えば、「PHPの基本」でデータ型の説明がありますが、重要なことは漏らさず、しかし冗長でなく、解説し、例題で軽く理解をうながしています。Webアプリケーションとして重要な「データベース連携」の章でも、PHPとして必要な事項はちゃんと説明しながらも、SQLの説明に余分なページを割いていないのが良いです。PHPはPHP、SQLはSQLとちゃんと著者の中で、著者が書かなければならないことが理解されています。

最後に

最新のPHP7に対応していますので、しばらくこの本があればPHPについては、コーディングに困らないでしょう。ぜひ手元に置いておいて欲しい本です。一つ注意事項としては、これはフレームワークの本ではなくあくまでPHPの本ですので、LaravelやCakePHPなどPHPフレームワークについては名前ぐらいしか触れていません。

独習PHP 第3版
著者: 山田 祥寛
ISBN:479813547X / 発売日:2016-04-09
出版社.: 翔泳社

あわせて読みたい