Auto Layoutに特化した解説書 | [書評]よくわかるAuto Layout iOSレスポンシブデザインをマスター


Auto Layoutだけの解説書が登場

iOSプログラミングを行うときに必要となる画面上への部品のレイアウトには、iOS6から採用されたAuto Layoutを使用することがすでに一般的になっています。Auto Layoutは、画面サイズの異なるiPhone、iPadが登場してきたために求められた機能です。

これまで、Auto Layoutについては、iOSプログラミング本の中で、ひとつの章ぐらいの扱いでした。しかし、実際にAuto Layoutを使用したことのある人ならわかると思いますが、これって結構面倒なのです。うまくレイアウトしないとぐちゃっと崩れます。

そこで登場するのが本書で、256ページを使ってAuto Layoutについてだけ詳しく解説しています。余分がありません。現在最新のiOS9での新Auto Layoutや開発ツールのXcode7に対応しています。

本書の構成

まず目次は以下のようになっています。

Chapter1 Adaptive Layoutをはじめる
Chapter2 Auto Layoutの基本概念
Chapter3 UIViewControllerとレイアウトをサポートするクラス
Chapter4 StoryboardとAuto Layout
Chapter5 コードとAuto Layout
Chapter6 実装基本パターン
Chapter7 実装応用パターン
Chapter8 Auto Layoutをデバッグする
Chapter9 サイズクラスとトレイトコレクション

Auto Layoutは、XcodeのUI操作でもできますが、コーディングでもできます。Webサイトから本書のソースコードがダウンロードできますので活用しましょう。Chapter 6から代表的なレイアウトパターンが10個紹介されています。基本的なものから、凝ったものまで揃っていますので、大抵紹介されたものを使えば、自分の思ったレイアウトができるでしょう。

私の注目ポイント

まず、Auto Layoutに特化した本というだけでインパクトあります。

個人的には、デバッグの章が設けられているのが嬉しい限りです。Auto Layoutの場合、設定がコンフリクト(衝突、つまり適切でない状態)することが多々ありますが、その場合の対処の仕方も書かれています。また、ビューデバッガやトレイトレクションなど、私が知らなかった機能も書かれていましたので、大変助かります。

最後に

本書は、最新のiOS9までが対象ですので、秋にもリリースが予定されているiOS10で新たなAuto Layout関連機能が追加されるでしょう。通常数OS前ぐらいまではアッパーコンパチですので、現状のAuto Layoutを本書により完全マスターしておいて、どのようなレイアウトの画面を作成するにしても困らないようになっておけば、iOS10がリリースされても困らないでしょう。

もし、XcodeのUIがひっくり返るぐらい変わったらびっくりしますが。でも、そういう時って大抵、古いインタフェースに戻す技をAppleは用意してくれるんですよね。というわけで、まずは、iOSプログラミングするなら、本書でAuto Layoutをマスターしましょう。


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