不快な感情を遠ざけるライフハック | [書評]反応しない練習  あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」


日常生活の中に原始仏教の教えを役立てようとする視点で記されたとてもありがたい書籍です。

普段の生活では、誰かの発した言葉に腹を立てることが日常茶飯事です。

それもこれも、自分が反応しているためです。ブッダの教えのように反応しなければ腹が立つこともないのですが、それほど簡単なものではありません。仏教で言うところの悟りの境地に到達しなければ、怒りを打ち負かすのは不可能ではないかと想像されます。

あるひとりの人間において、その人間の中に、その人の正義が内臓されていて、その正義が他者の正義と正面衝突することによって怒りが生じます。これはまさに、正義と悪の二元論が設定されている状態です。おそらくブッダの中では、正義も悪も存在しないのでしょう。

ただ、それがあるとするなら、物事に反応しないのが正義で、反応するのが悪であると言えます。換言すれば、あらゆる物事や誰かの言動に対し、憤りを感じている内面が悪であるということです。

楽しみや喜びなどの快いことに気持ちを添わせていけば、不快から遠ざかり全ての悩みが消える、と分かりやすく述べられております。なかなか凡人にとっては困難極まりない道ですが、崇高な目標として頭と心の片隅においておく必要があるでしょう。

この本では、現代人の生活に役立つ合理的な考え方と具体的な方法論が紹介されています。反応しない、ということの素晴らしさが胸に響く一冊です。


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