明河原が織りなす日常ほのぼのコメディ

5人家族の明河原（あけがわら）家とその周囲の個性的な人々が送る、日常ほのぼのコメディです。

特に大きな事件が起こるわけでもラブ要素が前面に出ているわけでもなく、登場人物が何か大きなものを背負っているわけでもない。けれど、家族でご飯を食べたり、ゲームをしたり、友だちと遊んだり…。そんな何でもない日常が幸せだと気付かせてくれるやさしくも面白いお話たち。

縦スクロールのマンガアプリ発のマンガであるため、全編フルカラーなのも、このパステル家族の日常を鮮やかに彩っている。

個性的な登場人物

主な登場人物は明河原家の長女マヨ、長男タクオ、次男ほのめ、母、父に加えて、マヨの友だちのケイちゃん、しおり、しおりの兄であるコウちゃんだ。一人一人が個性的で、でもどこにでもいそうな人物たちである。

基本的には主人公のマヨを中心にした話が多い。マヨは純粋素直でほのぼのとした女子高生だが、決まり文句の「安心しててね」が出ると、決まって失敗してしまう安心して見ていられないおっちょこちょいさんである。そんなマヨを見守る兄タクオは長男らしく温かく妹や弟を見守る。ほのめは無口な小学生だが、とても心優しい。心優しい兄弟の周りに集まってくる人々も皆人情味あふれる温かい人たちである。

ギャグマンガの中に感動要素もあり

収録されている話の7割はギャグ要素で占められている。さらさらと読めてクスッと笑わせてくれる。いい意味でくだらないものが多い。そんな中に感動させてくれる話が織り込まれている。

いいことを言おうとしているわけでもなく、誰かを喜ばせようとしているわけではないが、一つの行動や言葉が誰かの心を打つことがあるかもしれない、と思わせてくれるような話だ。

マヨは初めてのアルバイト先で本心から発した言葉で知らず知らずのうちに喫茶店にいるお客さんを感動させた。

カッコいいですよ！働いてる人はみんな！
社会に立派に貢献して！
家族を守ったり子供を育てたり！
働いてる人はみんなカッコいいです！

そんな名言を生み出している最中でもコマ割りや人物の表情にちらりとギャグ要素が垣間見えるところもこの作品が愛される理由の一つかもしれない。

とても難しいと言われているゲームを家族みんなで盛り上がりながら苦戦しながら助け合ってクリアしていくところは、見ていて思わず胸が熱くなる。この個性的なキャラクターの日常をちらりとのぞいてみてほしい。