「何が恥ずかしいのや、売る方かて、金になるもんやったら、たとえ、一銭でも金にして売るのやないか、買いに行く方かて、一銭で… | 本で出逢った感動の名言

しぶちん
著者: 山崎 豊子
ISBN:4101104050 / 発売日:1965-04-10
出版社.: 新潮社

本で出逢った名言・名セリフ

「何が恥ずかしいのや、売る方かて、金になるもんやったら、たとえ、一銭でも金にして売るのやないか、買いに行く方かて、一銭でも安いもん買いに行ったらええやないか、これやないと銭は溜まれへん」

しぶちん より

そのセリフに感銘を受けた理由

これは、『しぶちん』という山崎豊子さんの短編集のなかでも、標題作の「しぶちん」の中で、主人公の万治郎が言う台詞です。この短編集は、作者がお得意とした大阪の商家を舞台とした作品を収めたものです。「船場狂い」「死亡記事」「持参金」「しぶちん」「遺留品」の5作品が収録されています。

この「しぶちん」は、そんな作品の中でも、主人公の万治郎が、とことんケチを貫き通して、富を得たさまを描くものですが、その間、家庭が破綻するなど、波乱万丈な生涯が描かれます。そんな万治郎が、このような台詞を吐くのですが、「しぶちん」という作品は、ここで、意外な展開を見せます。

ケチで船場でも知られた万治郎が、ポンと大金を寄付すると言い出すのです。周囲の人たちは驚くのですが、万治郎は全く気にすることなく、商売にはげんだという話です。

回答者:40代 女性

しぶちん
著者: 山崎 豊子
ISBN:4101104050 / 発売日:1965-04-10
出版社.: 新潮社

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