「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう」 | 本で出逢った感動の名言
本で出逢った名言・名セリフ
「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう」
銀河鉄道の夜 より
そのセリフに感銘を受けた理由
宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」で、ジョバンニが言った言葉です。ジョバンニとカムパネルラが、死後の世界に向かう列車の中でサソリの火について語り合いながら、本当に幸せについて語らいます。美しく幻想的な銀河の旅そのものが非現実な超現実。完全なファンタジーの中で、唯一ぶれない現実を突きつけているのが「本当に幸せとは何か」というテーマです。
それまでふわふわと心地よく物語の中を旅していたのに、この言葉で一瞬、現実を生きる自分と対峙させられました。再び物語に集中しても、読み終えるまで、さらには読み終えた後も「自分にとっての、周りの大切な人にとっての、さらには出会ったことのない遠い国の人たちの本当の幸せとは何か」とずっと考えてしまいます。宮沢賢治が仕掛けた魔法の力は、今でも続いています。
回答者:20代 女性
あわせて読みたい