恥を知れというのはまともな責任能力のある者に対する要求である。 | 本で出逢った感動の名言

わが恋の墓標
著者: 曽野 綾子
ISBN:4101146012 / 発売日:2003-05
出版社.: 新潮社

本で出逢った名言・名セリフ

恥を知れというのはまともな責任能力のある者に対する要求である。

わが恋の墓標 より

そのセリフに感銘を受けた理由

曽野綾子の『わが恋の墓標』は、青春の、ほろ苦いというにはあまりにも苦い恋の思い出を描いた作品です。主人公は元遊び人の新聞記者で、喫茶店につとめる貧しい女の子に恋をします。でも主人公と女の子は、女の子の父親が作った借金のせいで引き裂かれてしまいます。自分が作った借金のせいで娘をお金持ちに渡してしまった女の子の父親に対し、主人公が心の中で唱えるのが上のくだりです。

主人公は女の子の父親に怒りや憎しみを抱くのではなく、許すことを選択します。極限の怒りをしずめるために唱えた、人間の醜さや弱さ、どうしようもなさを受け入れた諦念に、静かに胸を打たれました。主人公は父親を憎むかわりに、最後に女の子にしてあげられることを選択します。続きは、実際に読んでほしいです。

回答者:20代 女性

わが恋の墓標
著者: 曽野 綾子
ISBN:4101146012 / 発売日:2003-05
出版社.: 新潮社

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